何度も素通りしていた釜山の夜景散歩道、北港親水公園を歩いてみた

釜山の夜景といえば、広安里や海雲台が定番です。でも何度も訪れていると、人混みや駐車場の心配なく、静かに夜景を楽しめる場所が欲しくなるものです。今回は、釜山駅の近くにありながらずっと素通りしていた北港親水公園を、夜に歩いてみました。

北港親水公園は、釜山市東区(トング)にある海沿いの大型公園です。かつて商業埠頭として使われていた北港1埠頭の跡地を再開発して造成され、2023年11月に全面オープンしました。釜山駅と釜山港国際旅客ターミナルの間の海岸線に沿って広がっています。

北港親水公園の基本情報:アクセス・営業時間・駐車場・釜山駅からの行き方

項目内容
名称北港親水公園
住所釜山広域市東区李舜臣大路164
営業時間毎日 05:00~24:00
入場料無料
釜山港大橋ライトアップ毎日 20:00~23:00(公園の景観照明とは別運営)
公園景観照明日没~22:00
地下鉄1号線 釜山駅下車、空中歩行橋(ハヌル広場)経由で徒歩約15分(KTX釜山駅と直結)
バス5-1、42、1004番 → 釜山港国際旅客ターミナル下車、徒歩約7分
駐車場464台収容 / 最初20分無料、以降10分ごとに500ウォン(約59円)/ 1日最大15,000ウォン(約1,765円)/ カード決済のみ
ベビーカー・車椅子管理棟にて無料レンタル可能
公式施設案内公式サイトで園内マップを見る
(韓国語ページですが、園内マップは視覚的にわかりやすいです)

※価格は1円≒8.5ウォンで換算(2026年9月時点)。為替レートにより変動する場合があります。

ずっと気になっていた公園へ

日本と釜山を結ぶフェリーを利用するたびに、釜山港国際旅客ターミナル周辺の景色が少しずつ変わっていくのを感じていました。新しいタワーマンションが建ち、遊歩道が整備され、以前は港湾施設しかなかったエリアが都市公園に生まれ変わりつつあるのが見えていたのです。

ただ、いつもターミナルとの行き来だけで、公園そのものに足を踏み入れたことはありませんでした。今回、釜山駅近くの宿に泊まる機会があり、夕食後に散歩がてら歩いてみることにしました。秋の日は短く、もう暗くなり始めていましたが、公園の照明がすでに点灯していて、遠くに釜山港大橋のシルエットが見えていました。

夜にライトアップされたKTX釜山駅の外観、北港親水公園への散歩の出発点

釜山駅からの行き方

北港親水公園は、公共交通機関を使わなくても釜山駅から歩いて行けます。KTX釜山駅(韓国の高速鉄道のターミナル駅)の海側出口を出ると、「ハヌル広場」と呼ばれる空中歩行橋(ペデストリアンデッキ)につながっています。この歩行橋を進むと、一方はフェリーターミナル方面、もう一方は公園方面への分岐があります。

釜山駅と北港親水公園・国際旅客ターミナルを結ぶ空中歩行橋(ペデストリアンデッキ)

歩行橋は屋根付きで整備されており、風の強い日でも歩きやすい構造です。釜山駅の改札から公園入口まで、ゆっくり歩いて約10分でした。

夕暮れ時のハヌル広場(釜山港空中広場)から見下ろす北港親水公園

歩行橋の終点にはエスカレーターが設置されていて、地上レベルまでスムーズに降りることができます。スーツケースを持っていたり、お子さま連れの場合でも問題ありません。

空中歩行橋から北港親水公園へ降りる階段とエスカレーターを利用する観光客

公園に入ってみた第一印象

公園に足を踏み入れて、まず目に飛び込んできたのは、対岸に並ぶ高層ビルのスカイラインでした。協成マリーナG7とロッテキャッスル・ドゥメールという2棟のタワーマンションが、夕暮れの残光を受けて浮かび上がっていました。日本ではあまり知られていない建物ですが、北港再開発の規模の大きさを物語る存在です。

北港親水公園入口の案内図。園内施設と散策コースが表示されている

もうひとつ気づいたのは、公園入口にカフェがオープンしていたことです。韓国の大手コーヒーチェーン「Ediya Coffee(イディヤコーヒー)」の支店で、日本でいうとドトールのような立ち位置の、韓国国内にどこにでもある手頃なカフェチェーンです。店内は10席ほどの小さな店舗ですが、営業時間は10:00~22:00で、テイクアウトして公園を歩くのにちょうど良い場所にあります。私も散策後にここで座って休憩しましたが、歩いた後のひと息にぴったりでした。

北港親水公園入口のイディヤコーヒーと、背後に見える協成マリーナG7・ロッテキャッスルドゥメール

入口付近から、すでに釜山港大橋(北港大橋とも呼ばれます)のシルエットが見えていました。この橋は影島区と南区を結ぶ大型斜張橋で、進入路が360度回転するらせん状のランプウェイ(螺旋状の車道)になっているのが特徴です。車で上ると「空中に浮いているようだ」と言われるほどの高さがあり、釜山でも目を引く構造物のひとつです。ただ、到着した19時30分頃にはまだ照明が点灯しておらず、暗いままでした。

釜山港大橋のライトアップ

そろそろ戻ろうかと思った20時ちょうど、橋に照明が灯り始めました。一斉にではなく、セクションごとに順番に点灯していく様子が見えて、まるで街が夜モードに切り替わる瞬間に立ち会ったような感覚でした。

北港親水公園から見た、夜間ライトアップされた釜山港大橋(北港大橋)の全景

釜山港大橋のライトアップは、毎日 20:00~23:00 に実施されています。公園の景観照明(日没~22:00)とは別のスケジュールで運営されているため、橋のライトアップを見に行くのであれば、19:30~19:45頃に公園に到着しておくと、点灯の瞬間から楽しめます。

フェリーの船上から眺める釜山港大橋も印象的ですが、数分で通り過ぎてしまいます。この公園からは、港の風景やウォーターフロントの遊歩道と合わせて、自分のペースでゆっくりと眺められるのが良いところです。

夜の散策コース

北港親水公園は地図で見る以上に広く、公式サイトでは2種類のおすすめ散策コースが紹介されています。

コース所要時間おすすめの時間帯主な見どころ
ゆっくり一周コース約60分日中~夕暮れハヌル広場 → ウェーブスタンド → エノキ林 → 第2歩道橋 → ハーバーブロックガーデン → 展望デッキ → 第6歩道橋 → オープンキャナル → ハヌル広場
海沿いハイライトコース約30分夜(ライトアップ重視)ハヌル広場 → 第4歩道橋 → 展望デッキ → 第6歩道橋 → オープンキャナル → ハヌル広場

夜景目的であれば、30分の海沿いコースがおすすめです。照明が充実しているエリアを中心に回るルートで、歩いている間ほぼずっと釜山港大橋が視界に入ります。日中や夕暮れ時に訪れるなら、芝生広場やエノキ林を含む60分コースのほうが見応えがあります。

夜の北港親水公園、照明に照らされた散策路と光る歩道橋を歩く人々

園内の散策路には、手すりや路面に組み込まれた照明がしっかり設置されていて、夜でも安心して歩ける明るさが確保されていました。実際に歩いてみると、家族連れやジョギングをしている方、カップルなど、地元の方々が思い思いに過ごしている様子が見られました。

北港親水公園の歩道橋から見た夜の釜山駅周辺スカイラインと高層ビル群
北港親水公園の第3歩道橋から撮影した、照明に照らされた散策路と港の夜景

展望デッキとハーバーブロックガーデン

展望デッキ(ジョマンデッキ)は小高い丘の上にあり、釜山港大橋を遮るものなく一望できるポイントです。デッキの床面には小さなLEDライトが埋め込まれていて、夜になると星を散りばめたような光景が広がります。短いコースでも、ここだけは立ち寄る価値があります。

北港親水公園の夜のパノラマ。照明に照らされた散策路がウォーターフロントに沿って続く
北港親水公園の展望デッキ、床面に埋め込まれた星のようなLEDライトが夜に光る

展望デッキからは、先ほど公園入口で目にした釜山駅周辺の高層ビル群をウォーターフロントとともに撮影できます。海雲台の高層ビルをバックにした撮影スポットは有名ですが、こちらは人が少なく、同じ構図を落ち着いて狙えるのが利点です。

北港親水公園のフォトスポットから撮影した協成マリーナG7とロッテキャッスルドゥメールの夜景、周辺を歩く観光客

展望デッキの下にあるハーバーブロックガーデンは、かつて北港の埠頭建設に使われていたコンクリートブロックを再利用して造られた休憩スペースです。案内板を読まないと気づきにくい場所ですが、この公園が単なる新しい公園ではなく、港の歴史を踏まえた場所であることが伝わってくる空間でした。

お祭りと花火シーズン

北港親水公園は夜の散歩だけでなく、釜山の年中行事の会場としても使われています。

イベント時期内容
釜山港まつり6月中旬(週末)海洋アクティビティ、ライブパフォーマンス、屋台、夜の花火
ポートビレッジフェスティバル時期は年により異なる各国の料理を楽しめるフードイベント
チャガルチ祭り花火10月中旬南浦洞エリアで開催される釜山最大の海鮮祭り「チャガルチ祭り」の海上花火が、この公園からも見えます。メイン会場より人が少なく、落ち着いて観覧できる穴場ポイントです。

6月の釜山港まつりの時期には、公園全体がイベント会場になります。また、10月の花火は広安里ビーチが定番の観覧スポットですが、人混みを避けたい方には、この公園からの観覧がおすすめです。

まとめ

静かな夜のウォーターフロントをひと回りして、釜山駅方面に戻る頃には、すっかりこのエリアが気に入っていました。釜山駅周辺でもう少し時間がある方に、公園の近くで寄れる場所をいくつか紹介します。

ブラウンハンズ百済の座席と木枠の窓、暗い照明のインテリア

釜山駅の正面出口から徒歩2分の場所に、ブラウンハンズ百済というカフェがあります。

1920年代に病院として建てられた建物で、韓国の登録文化財(647号)に指定されています。登録文化財とは、近代以降の建造物の中で歴史的・文化的価値が認められたものに対する韓国の保護制度です。建物の中には当時の階段や建築ディテールがそのまま残っていて、コーヒーを目的にしなくても、各階を歩いて回るだけで時間を忘れてしまう空間です。

北斗七星図書館(Big Dipper Library)内部の円形書架と自然光、釜山

公園の展望デッキから見えていた高層ビル、協成マリーナG7。そのビルの1階には北斗七星図書館(Big Dipper Library)という無料の公共図書館が入っています。

フェリーターミナルのすぐ隣で、公園からも徒歩約10分です。天井まで届く大きな窓から港が見渡せる、意外なほど静かな読書空間で、散策前後にゆっくり座りたいときに立ち寄ってみてください。

釜山駅KTX2階にあるB&C製菓釜山駅店の外観ト

釜山駅の2階にはB&C製菓という、創業40年以上のパン屋さんがあります。韓国では主要な鉄道駅の構内に小さなベーカリーや軽食店が入っていることが多く、ここは地元の常連客がKTXに乗る前にパンを買っていく、飾らないけれど味の確かなお店です。

釜山駅近く家族宿泊に最適なジョンオンジェチョ客室の内部

宿泊先をお探しであれば、釜山駅から徒歩3分のジョンオンジェ(Jeongonjae)は、グループや家族連れにも対応できるゲストハウスです。駅にも公園にも近く、タクシーを使わずに動ける立地が便利です。

この記事で紹介した釜山駅周辺のスポットを、動画「釜山駅周辺だけで一日遊べる!観光から宿泊までおすすめコース」でもまとめています。北港親水公園の散策の様子は13分15秒あたりからご覧いただけますので、公園の雰囲気を事前につかみたい方はぜひ参考にしてみてください。

北港親水公園は、まだ多くの観光客に知られていない場所です。観光バスも来なければ、自撮り棒の列もありません。整備された遊歩道と、毎晩20時に灯る橋の照明があるだけの、静かなウォーターフロントです。

日本からフェリーで釜山を訪れる方なら、ターミナルのすぐ隣にあるこの公園の存在は覚えておいて損はないと思います。出発までの時間に、釜山最後の夜景をここで静かに眺めてから船に乗る——そんな過ごし方も、悪くないのではないでしょうか。

北港の再開発はまだ続いています。次にこの場所を訪れるとき、どんな景色に変わっているのか。それもまた、楽しみのひとつです。

北港親水公園のよくある質問(FAQ)と見どころ:釜山港大橋のライトアップ時間やおすすめ散策コース

北港親水公園には釜山駅からどうやって行けますか?

KTX釜山駅の海側出口を出て、空中歩行橋(ハヌル広場)を道なりに進むと、公園まで直接つながっています。バスや地下鉄への乗り換えは不要です。ゆっくり歩いて約10分で到着します。歩行橋の終点にはエスカレーターがあるため、スーツケースやベビーカーをお持ちの方でも問題ありません。

北港親水公園の営業時間と入場料を教えてください。

公園は毎日5:00~24:00(深夜0時)まで開放されており、入場は無料です。公園内の景観照明は日没から22:00まで点灯します。釜山港大橋のライトアップは公園の照明とは別に、毎日20:00~23:00に実施されています。

釜山港大橋のライトアップは何時からですか?

釜山港大橋(北港大橋)のライトアップは、毎日20:00~23:00です。点灯の瞬間を見たい場合は、19:30~19:45頃に公園に到着しておくと、橋がセクションごとに順番に点灯していく様子を楽しめます。

北港親水公園に駐車場はありますか?料金はいくらですか?

464台分の専用駐車場があります。最初の20分間は無料で、以降は10分ごとに500ウォン(約59円)、1日の上限は15,000ウォン(約1,765円)です。支払いはカード決済のみで、現金は使用できません。
※価格は1円≒8.5ウォンで換算(2026年9月時点)。為替レートにより変動する場合があります。

北港親水公園は夜でも安全に歩けますか?

はい。園内の散策路には、手すりや路面に組み込まれた照明がしっかり設置されており、夜間でも十分な明るさが確保されています。実際に訪れた際には、家族連れやジョギング中の方、カップルなど、地元の方々が多く利用されていました。管理棟ではベビーカーや車椅子の無料レンタルも行っています。

北港親水公園の散策にはどのくらい時間がかかりますか?

公式サイトでは2種類のコースが紹介されています。釜山港大橋のライトアップと展望デッキを中心に回る約30分の「海沿いハイライトコース」と、芝生広場やエノキ林を含む約60分の「ゆっくり一周コース」です。夜景目的であれば、照明が充実した30分コースがおすすめです。

北港親水公園の周辺でお祭りや花火はありますか?

毎年6月中旬に開催される「釜山港まつり」では、公園一帯で海洋イベントやライブ、屋台、花火が楽しめます。また、10月中旬のチャガルチ祭り(釜山最大の海鮮祭り)の海上花火は、メイン会場の広安里ビーチより人が少ないこの公園から観覧することもできます。

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