釜山旅行の最後、KTXや高速船の出発時刻まであと少し時間がある——そんなとき、釜山駅の2階を歩いていると、ふわりと焼きたてのパンの香りが漂ってきます。その正体が、B&C製菓の釜山駅店です。1983年に南浦洞で創業した釜山を代表する老舗ベーカリーの支店で、本店まで足を運ばなくても駅構内で同じ味が手に入ります。
韓国では近年「パン旅(パンジスンレ)」という言葉が定着しています。旅先のご当地ベーカリーを目的に旅をするという、日本のパン巡りに通じる食文化のトレンドです。釜山のパン旅リストで必ず名前が挙がるのが、このB&C製菓です。
目次
【基本情報】B&C製菓 釜山駅店の営業時間・アクセス・場所ガイド
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 店名 | B&C製菓 釜山駅店(ビエンシー・ジェグァ) |
| 住所 | 釜山広域市 東区 中央大路206 釜山駅KTX 2階 |
| 営業時間 | 毎日 08:00~22:00 |
| アクセス | 地下鉄1号線 釜山駅 6番出口から徒歩約3分/KTX釜山駅の改札を出て2階フロアへ |
| 座席 | 2階の売り場は立ち寄り型で座席わずか。1階にはカフェ形式の別店舗あり(座ってゆっくり食べられます) |
| 決済 | 現金・カード両方可 |
本記事の価格はすべて韓国ウォン(₩)と日本円の2通りで表記しています。換算レートは1円=9.5ウォンを基準にしています。
釜山三大パン屋としてのB&C製菓
B&C製菓の歴史は、釜山駅ではなく南浦洞(ナムポドン)から始まります。南浦洞といえば、光復路ショッピング通り、BIFF広場、チャガルチ魚市場で知られる釜山有数の繁華街です。1983年にこの街で開業して以来、海雲台(ヘウンデ)やロッテ百貨店光復店の地下などへ支店を広げ、現在は釜山駅構内にも出店しています。

釜山市から「名品パン屋(ミョンプムパンチプ)」に公式認定された実績もあり、OPS(海雲台エリアで大人の拳ほどのシュークリームが名物)、ペックダン(釜山で最も古いベーカリーで、トウモロコシたっぷりのクロイズンや饅頭が看板商品)と並んで「釜山三大パン屋」と呼ばれています。
私の夫は釜山出身で、B&C製菓には子どもの頃からの記憶があります。1990年代の南浦洞本店は、1階がパン屋、2階が洋食レストランという構成だったそうです。日本でいう「昭和の洋食屋さん」のような雰囲気の、韓国式洋食店(キョンヤンシク)。スパゲッティやサンドイッチ、トンカツなどを家族で食べに行く、週末のちょっとした贅沢だったといいます。
夫が今でも懐かしそうに話すメニューがあります。パンを器の形に焼き上げて、中にクリームスープを注いだ「ハードロールスープ」という料理です。毎週末、2階で食事を楽しんだあと、1階のパン屋で家族みんなの分のパンを買い込んで帰る——それが当時の釜山の家庭の風景だったそうです。レストランはすでに閉店していますが、パン屋は40年以上経った今もこうして続いています。
私のイチ押し:サラダパン
釜山に住み始めてからもう何度もB&C製菓に立ち寄っていますが、毎回必ず手が伸びるのがサラダパン(₩6,500/約684円)です。
韓国のパン屋で「サラダ」といえば、レタスの入ったサラダではありません。ゆでたジャガイモを潰して、角切りのリンゴや漬けキュウリ、ニンジン、ゆで卵をマヨネーズで和えた、昔ながらのポテトサラダのことです。日本のポテトサラダと味の方向性が近いので、初めて食べても馴染みのある味だと感じる方が多いと思います。B&C製菓のものは具がたっぷりと詰まっていて、見た目以上にボリュームがあります。
ちょっとした食事代わりになるので、これからKTXに2時間半乗るというタイミングにも向いています。コンビニのキンパ(海苔巻き)よりしっかりお腹にたまりますし、B&C製菓の全支店で買える定番ベストセラーでもあります。

サンドイッチ系をお探しなら、ショーケースには鶏むね肉サンド、パストラミ、モッツァレラなど複数の種類が並んでいます。どれも具材がしっかり入っていて、見た目で期待を裏切らないボリューム感です。

人気メニューと価格一覧
店頭に「BEST」のポップが貼られている商品が人気の目印です。時間がないときは、これを頼りに選ぶと迷わずに済みます。まずは価格の全体像をご覧ください。
| メニュー | 価格(₩) | 日本円(税込目安) |
|---|---|---|
| ホドゥパパイ(くるみパイ) | ₩8,600 | 約905円 |
| サラダパン | ₩6,500 | 約684円 |
| ミニモンブラン | ₩6,000 | 約632円 |
| コンスニ きなこ餅パン | ₩3,700 | 約390円 |
| ジャムマドレーヌ | ₩3,700 | 約390円 |
| 栗入り饅頭 | ₩3,700 | 約390円 |
| B&Cロール(1切れ) | ₩3,500 | 約368円 |
| 蓮根あんパン | ₩3,000 | 約316円 |
| ソボロパン | ₩3,000 | 約316円 |
| パンヌジェンヌ(フィナンシェ) | ₩2,700 | 約284円 |
| バンハナ(バナナ型菓子パン) | ₩1,800 | 約190円 |
ここからは、実際に気になったメニューを詳しくご紹介します。
ミニモンブラン — ₩6,000(約632円)
「ミニ」とありますが、日本の一般的なパン屋さんで売られているモンブランとほぼ同じサイズです。バターの風味がしっかりと感じられる、層の重なったペストリーです。ヨーロッパ系の焼き菓子がお好きな方には間違いのない一品です。

コンスニ きなこ餅パン — ₩3,700(約390円)
インジョルミ(韓国のきなこ餅)の味わいをパンに閉じ込めた商品です。インジョルミとは、餅米で作ったもちもちのお餅にきなこ(韓国語でコンガル)をまぶした韓国の伝統菓子で、日本のきなこ餅に風味がよく似ています。私はまだ食べていないのですが、常連の友人に強く勧められた一品で、パンの上にまぶされたきなこを見て「次は絶対買う」と心に決めて写真を撮りました。
蓮根あんパン — ₩3,000(約316円)
B&C製菓で初めて見かけたメニューでした。蓮根(ヨングン)とあんこ(小豆餡)の組み合わせは韓国ならではで、ほんのりとした甘さと蓮根の土っぽい風味が混じり合います。日本のあんパンに慣れている方にとっても新鮮な味わいになるはずです。お土産としても話題性があります。

ほかにも棚にはさまざまな商品が並んでいます。ソボロパン(₩3,000/約316円)は、日本のメロンパンに近いクッキー生地を乗せた韓国定番の菓子パンです。パンヌジェンヌ(₩2,700/約284円)はB&C流のフィナンシェ、ジャムマドレーヌ(₩3,700/約390円)はフランス菓子系の焼き菓子です。ホドゥパパイ(くるみパイ/₩8,600/約905円)はくるみをふんだんに使った重量感のあるパイで、バンハナ(₩1,800/約190円)はバナナの形をした小さな菓子パンです。お子さんのおやつにちょうどいいサイズです。
米粉を使ったパンやフレンチパイなど、日替わりで入れ替わる商品も棚に並んでいます。

B&Cロールはバタークリームとくるみのロールケーキで、1切れ(₩3,500/約368円)から購入できます。スポンジはしっとりとやわらかく、バタークリームは甘すぎないクラシックな味わい。ふと目に入ると、つい手が伸びてしまう一品です。
栗入り饅頭(₩3,700/約390円)も目を引きました。日本の栗饅頭と通じるものがありますが、生地はパイ寄りで、中に栗とあんこが入っています。韓国と日本の饅頭文化のつながりを感じる、ちょっとうれしいメニューです。サントゥ菓子(韓国の伝統的な形の焼き菓子)など、ほかにも紹介しきれないほどの種類があります。

お土産セット&ギフト
旅行中にお土産を買い忘れてしまった場合でも、B&C製菓の釜山駅店ならギフトボックスがそのまま手土産になります。包装が丁寧で見栄えも良いので、箱を開けたときに「きちんとしたお店のもの」という印象を与えてくれます。
パイ饅頭セット
B&C製菓の看板お土産が**パイ饅頭(パイマンジュ)**です。サクサクのパイ生地の中に小豆餡、くるみ、栗が入り、上にアーモンドクリームが乗った小ぶりの焼き菓子です。「饅頭」という名前が示すとおり、日本の饅頭文化が韓国に渡り、パイ生地をまとって進化した商品だともいえます。ギフトセットは4段階の構成があります。
| セット名 | 内容 |
|---|---|
| オリジナル | パイ饅頭のみ (1個 ₩2,500/約263円から。4個・6個・8個入りも選べます) |
| ダブル | パイ饅頭+チポン饅頭 (小豆餡の代わりにクリームチーズ入り) |
| トリプル | 上記に加えて、辛口チポン饅頭 (ピリ辛あんことクリームチーズの組み合わせ) |
| スペシャル | 上記すべてに黒ゴマ味を追加 |
1つずつ個別包装されているので、職場や友人に配るお土産としても使いやすい構成です。

そのほかのギフト商品
ミルク&いちごクッキーセット — ₩22,000(約2,316円)、10枚入り。「BEST」のポップが貼られた人気商品で、化粧箱入りなのでそのまま渡せます。
エレガントパイセット — ₩19,000(約2,000円)。まるごとのくるみが乗ったパイが個別包装で入った上品なギフトボックスです。単品のくるみパイ(₩20,000/約2,105円)もあります。

ギフトセットの多くは₩19,000〜22,000(約2,000〜2,316円)の価格帯で、韓国のお土産品としては手頃な部類です。
ケーキ類
店頭のショーケースにはホールケーキも並んでいます。生クリーム、チョコレート、ラズベリー、ブルーベリーなどのフレーバーがあり、ベーシックなカステラ(ポルトガルから日本、日本から韓国へと伝わった焼き菓子)は₩20,000(約2,105円)から。小サイズのケーキが₩29,000(約3,053円)、通常サイズが₩36,000(約3,790円)です。韓国のベーカリーチェーンと比べても平均的な価格帯です。釜山駅周辺で急にケーキが必要になった際の選択肢として覚えておくと便利です。

まとめ
B&C製菓 釜山駅店の正直な感想として、価格はパリバゲットやトゥレジュールといった韓国の大手チェーン店と比べるとやや高めです。40年続く老舗の看板と、駅構内という立地を考えれば仕方のないことかもしれません。ただ、列車の中で食べるパンを2つ3つ、あるいはお土産のギフトセットを1箱——その程度の買い物であれば、十分に納得できる価格だと感じます。
列車の時間にまだ余裕がある方は、駅の周辺にも足を延ばしてみてください。

ご家族や大人数で泊まれる宿をお探しなら、ジョンオンジェ(Jeongonjae)は釜山駅から徒歩圏内の大型ゲストハウスで、実際に泊まった正直なレビューを書いています。

重い荷物が気になる方は、釜山駅構内のコインロッカーや当日配送サービスを利用すれば、身軽に周辺を散策できます。
また、B&C製菓以外の釜山土産を探している方には、
こうしたお土産や道中の軽食を買い込んで、そのままフェリーで出国される予定なら、ひとつ知っておくべき実用情報があります。
なお、フェリーで釜山港国際旅客ターミナルを利用される方への補足ですが、2026年8月時点でターミナル内のコンビニ2店舗が営業を終了しています。出国前に飲み物や必要なものを買いたい場合は、釜山駅構内や周辺のコンビニで事前に購入しておくことをおすすめします。
B&C製菓 釜山駅店は、わざわざ遠くまで足を運ぶようなお店ではないのかもしれません。けれど、旅の終わりに駅の中をぶらぶら歩きながら、40年続くパン屋の香りに足を止めて、ひとつふたつ選んで列車に乗る——そういう何気ない時間が、ふと思い出したときにいちばん温かい旅の記憶になったりするものです。
【よくある質問・訪問のコツ】B&C製菓の人気パン・お土産セットと周辺情報
B&C製菓は釜山駅のどこにありますか?
B&C製菓の釜山駅店は、KTX釜山駅の2階にあります。住所は釜山広域市東区中央大路206で、改札を出てホームへ向かう通路沿いに位置しています。地下鉄1号線の釜山駅6番出口からは徒歩約3分です。1階にも座席のあるカフェ形式の別店舗が営業しています。
B&C製菓で一番人気のパンは何ですか?
サラダパン(₩6,500/約684円)が長年のベストセラーです。ジャガイモ、リンゴ、キュウリ、ニンジン、ゆで卵をマヨネーズで和えた韓国式ポテトサラダがたっぷり詰まっており、日本のポテトサラダに味わいが似ています。列車内での軽食にもちょうど良いボリュームです。
韓国のパン屋で見かける「サラダパン」とは何ですか?
韓国のパン屋における「サラダ」とは、野菜サラダではなく昔ながらのポテトサラダのことです。茹でたジャガイモを潰し、細かく切った野菜やゆで卵をマヨネーズで和えたフィリングをパンに挟んだもので、韓国の伝統的なベーカリーで長年親しまれてきた定番メニューです。
お土産用のギフトセットはありますか?
はい。B&C製菓ではパイ饅頭セットを中心に複数のギフト商品を販売しています。パイ饅頭はオリジナル、ダブル、トリプル、スペシャルの4種類のセットがあり、1個(₩2,500/約263円)から購入できます。ほかにもミルク&いちごクッキーセット(₩22,000/約2,316円、10枚入り)やエレガントパイセット(₩19,000/約2,000円)など、化粧箱入りの手土産が揃っています。個別包装のものが多いので、職場への配り土産としても便利です。
B&C製菓は本当に釜山三大パン屋のひとつですか?
B&C製菓は1983年に南浦洞で創業し、釜山市から「名品パン屋」の認定を受けています。OPS(海雲台でシュークリームが人気)やペックダン(釜山で最も古いベーカリー)と並んで「釜山三大パン屋」と呼ばれており、40年以上にわたって地元の人々に愛され続けています。
釜山駅店の営業時間は何時から何時までですか?
毎日朝8時から夜10時(08:00~22:00)まで営業しています。早朝の列車に乗る方にも、夜遅くに到着する方にも利用しやすい時間帯です。2階のパン売り場と1階のカフェ店舗の両方がこの時間帯で営業しています。
釜山駅のB&C製菓でケーキも買えますか?
はい。店頭のショーケースに生クリーム、チョコレート、ラズベリー、ブルーベリーなどのホールケーキが並んでいます。カステラは₩20,000(約2,105円)から、小サイズのケーキは₩29,000(約3,053円)、通常サイズは₩36,000(約3,790円)です。韓国のベーカリーとしては平均的な価格帯で、釜山駅で急にケーキが必要になった際に便利です。

