広安里の小さな香水工房で、旅の記憶をひと吹きに閉じ込めてきた

旅先で買ったお土産の中で、いちばん長く手元に残っているものは何でしょうか。冷蔵庫に貼ったマグネットでも、引き出しの奥に眠るキーホルダーでもなく、「身につけられる思い出」があったらどうでしょう。広安里香水工房ADoRで、約30分のカスタム香水作りを体験してきました。自分で香りを選び、調合し、ラベルを貼って持ち帰る——ただそれだけのことなのに、ボトルを開けるたびにあの日の広安里がふわっと蘇るのです。

【基本情報】広安里香水工房ADoR(釜山)へのアクセス・営業時間・予約方法

項目詳細
店名ADoR香水工房(PRESENTHING by ADoR)
住所釜山広域市 水営区 広安路49番キル74 1階
営業時間12:00〜19:00(予約制のため変動あり)
最寄り駅釜山地下鉄2号線 広安駅 1番出口から約600m(徒歩約10分)
ビーチから広安里ビーチから約600m(徒歩約10分)
予約事前予約制 — 公式サイトまたはKlookで空き状況と料金を確認
言語クラス自体は韓国語ですが、各席に置かれたタブレットの画面を見ながら進めるスタイルなので、韓国語がわからなくても問題ありません。スマホの翻訳アプリがあればスタッフとのやり取りもスムーズです。
知っておきたいこと完成した香水は約1週間の熟成期間を経て本来の香りに仕上がります。旅から戻ったあとに香りが深まっていく過程も、この体験ならではの楽しみです。

体験メニューと料金

料金体系はシンプルで、作りたいアイテムとサイズを選ぶだけです。追加料金やオプション課金はありません。

メニュー価格(ウォン)日本円目安
カスタム香水 10ml(数量限定・先着順)₩15,000約1,760円
カスタム香水 10ml(1+1・2本セット/1名分)₩26,000約3,060円
カスタム香水 30ml₩33,000約3,880円
カスタム香水 50ml₩38,000約4,470円
カスタムディフューザー 50ml₩29,000約3,410円
カスタムディフューザー 130ml₩35,000約4,120円
カスタムファブリックスプレー 100ml₩29,000約3,410円
エコギフトボックス(追加オプション)₩3,500約410円

※価格は1円≒8.5ウォンで換算(2026年9月時点)。為替レートにより変動する場合があります。

日本国内の調香体験だと5,000円〜10,000円が相場ですが、ADoRではいちばん手軽な10mlボトルが約1,760円からという価格設定です。しっかり使えるサイズが欲しい方は30ml(約3,880円)か50ml(約4,470円)あたりがバランスの取れた選択肢になるかと思います。今回わたしが体験したのは30分のカスタム香水クラスで、慌ただしさを感じることなくちょうど良いペースで進められました。

ADoRはどこにある?

釜山・水営区の路地裏にある広安里香水工房ADoRの外観

ADoRが入っているのは、広安路49番キル沿いにある低層ビルの1階です。水営区(スヨング)は釜山の東側に位置する沿岸エリアで、広安里ビーチと海雲台の間に挟まれた場所にあります。このあたりはビーチの表通りから一本入った路地裏に、個性的なカフェや小さなセレクトショップ、クリエイティブな工房がぽつぽつと集まるエリアです。午前中にビーチを歩いて「海沿いのカフェ以外にも何かないかな」と思ったとき、こうした路地裏の寄り道を知っておくと旅の密度が変わります。

店内に入ると

広安里香水工房ADoRのヴィンテージ調の店内の様子

まず目に入るのは、入り口側に広がる小さな雑貨コーナーです。棚にはキャンドル、ミニディフューザー、ファブリックスプレー、ちょっとした小物類が並んでいて、どれもスーツケースに入るサイズ感のものばかりでした。

ADoR店内に並ぶキャンドルやミニディフューザーなどの小さな雑貨類

店内はヴィンテージ調のインテリアで統一されていて、気負わずに眺めて回れる雰囲気です。クラスに参加しなくても、広安里を歩いたついでに立ち寄って雑貨を見るだけでも十分楽しめます。創業者は「すべての人が自分だけの香りを持ち、その香りとともに日々を過ごしてほしい」という想いでこの工房を始めたそうで、店内のあたたかみのある空気感はその哲学がそのまま反映されているように感じました。

30分のカスタム香水クラス

調合スペースはショップの奥に設けられた別室です。2人掛けの小さなテーブルが並び、それぞれのテーブルに数十本の香料ボトルと必要な道具一式が用意されています。部屋はこぢんまりとしていますが、それがかえって落ち着いた雰囲気を生んでいて、大きなスタジオよりもむしろ集中できる空間でした。

ADoRの調合スペースに並ぶ2人掛けのテーブルと香料ボトル
ADoR広安里香水工房の壁面を埋める100種以上の香料ボトル

各席にはタブレットが置かれていて、画面をスワイプしながらステップごとに進めていきます。香りのファミリーの説明、人気の組み合わせ例、調合比率のガイドなどが表示されるので、香水の知識がなくても問題ありません。スタッフも進み具合を見守ってくれていて、迷ったときにはすぐにサポートしてもらえます。

ADoRのカスタム香水クラスで使用するタブレット画面と香料ボトル

11の香りファミリー

ADoRには100〜200種類の香料が用意されていて、11のカテゴリに分類されています。それぞれの特徴をまとめると以下のとおりです。

カテゴリ特徴
Citrus爽やかで気分転換にぴったり——レモンやグレープフルーツの皮のような明るさ
Floralやわらかく女性らしい印象。デイリー使いしやすい系統
Green葉を潰したときのみずみずしさ、朝露のような清涼感
Soapy & Powdery洗いたてのコットンや石鹸を思わせるあたたかさ
Woody白檀やシダーのような落ち着いた木の香り。性別を問わず使いやすい
High高級感のある仕上がり。デザイナーズ香水に近いニュアンス
Aquaひんやりと爽快。カジュアルな普段使いに合う
Fruityピーチやベリーの甘さ。重すぎず華やかな印象
Herbラベンダーやローズマリーのアロマティックな安らぎ
Brand Typeシャネルやジョーマローンなど有名ブランドにインスパイアされた調合
Tea紅茶ベースのユニークな香り。ほろ苦く、どこか懐かしい

ムエット(試香紙)に一つずつ香りをつけては嗅ぎ、気になるものを絞り込んでいきます。

ADoRの調合スペースに置かれた嗅覚リフレッシュ用のコーヒー豆

ちなみに、テーブルにはコーヒー豆が小皿に盛られて置いてあります。たくさんの香りを嗅いでいると鼻が慣れてしまい(いわゆる「嗅覚疲れ」)、違いがわかりにくくなることがあるのですが、合間にコーヒー豆の香りを嗅ぐことで嗅覚をリセットできるのです。ワインのテイスティングでパンを食べるのと同じ原理で、こうした細かい配慮があるのはしっかりした工房だなと感じました。

ADoR香水工房で試香した複数のムエット(試香紙)

最初はタブレットに表示されるおすすめの組み合わせを参考にしていましたが、途中からオーナーがわたしの好みの傾向を見て、より合いそうな調合を提案してくれました。この個別対応がありがたかったです。実は夫が愛用しているバーバリー タッチ フォーメンに近い香りを再現したかったのですが、正確な配合がわからず断念しました。それでもわたしが選んだウッディ系のベースを夫が気に入ってくれたので、結果オーライというところです。

ADoRのカスタム香水クラスで気に入ったフローラル系香料のボトル

香りが決まったら、それぞれの香料を計量しながら空のボトルに注いでいきます。配合比率はスタッフが見守ってくれるので、大きく失敗する心配はありません。

ADoR広安里香水工房で空のボトルに香料を調合している様子

完成した1本

調合が終わったら、ボトルに貼るオリジナルラベルを手書きします。名前でも日付でも好きな言葉でも自由です。ショップ入り口付近にはフォトゾーンが用意されていて、完成した香水と一緒に記念撮影もできます。

広安里香水工房ADoRで完成したカスタム香水ボトルのクローズアップ

包装も丁寧で、1本ずつギフトボックスに入れてもらえます。スーツケースの中で破損する心配がないのは、日本に持ち帰ることを考えるとありがたいポイントです。クラスに参加するとポストカードのプレゼントもありました。

香りの郵便局とギフトショップ

店内で印象に残ったのが「香りの郵便局」というコンセプトです。₩1,500(約180円)でポストカードと封筒のセットが購入でき、好きな香りをカードに吹きかけて、一緒に旅をしている人やご家族に渡すことができます。いわば「香りつきの手紙」です。ちょっとしたことですが、もらった側にとっては記憶に残る贈り物になるのではないでしょうか。

ADoRの香水クラス参加後にもらえるポストカードのプレゼント

香水以外にも、ファブリックスプレーやルームスプレーなどを店頭で試香しながら選ぶことができます。かさばらず持ち帰りやすい釜山のお土産を探している方には、お菓子やコスメとは一味違う選択肢としておすすめです。予約サイト上のレビュー数は4,000件を超えており、体験型のアクティビティとしての満足度の高さがうかがえます。

まとめ

広安里ビーチ周辺で1日を過ごすなら、この広安里香水工房は予定の合間にさっと組み込めるスポットです。体験時間は約30分、料金は₩15,000(約1,760円)から。短い時間と手頃な予算で、世界にひとつだけの香水を手に入れることができます。

ADoR広安里香水工房で完成した香水がギフト袋に包装された様子

カップルならお互いの好きな香りを共有しながら作る過程そのものが思い出になりますし、友人同士でも「これ似合いそう」と選び合うのは楽しい時間です。ひとり旅でも、ビーチとカフェの間に挟む体験型のアクティビティとしてちょうど良い密度感でした。

広安里のビーチからADoRまでは徒歩約10分です。

2026年広安里Mドローンライトショー(釜山・毎週土曜)

広安里ビーチでの1日の過ごし方——食事やカフェ、夜の砂浜シネマ、周辺の宿泊先まで——をまとめた記事もありますので、あわせてご参考ください:砂浜のスポンジ・ボブと夜空のドローン── 広安里ビーチで過ごした夏の1日。

BBプレートブランチセット りんごブリーチーズジャンボンブールとスープサラダヨーグルトドリンク付き

午前中のブランチなら、ADoRから歩ける距離にある広安里のベーカリーカフェでジャンボンブールがブランチセットに変わった話もおすすめです。

広安里Wホテルの窓辺に置かれたドライフルーツティーと陶器カップ、窓の外には広安里ビーチと広安大橋

夜まで広安里に滞在するなら、1泊約12,600円で広安大橋を正面に眺められる広安里Wホテルはコストパフォーマンスの良い選択肢です。

夕暮れ時の海雲台の景色を撮影する観光客たち(釜山エックスザスカイ内)

釜山の海岸線を一望する夜景なら、地下鉄で約20分東に移動した先にある海雲台のエックスザスカイ(100階展望台)で過ごす時間も格別でした。

完成した香水は1週間ほど熟成させると、調合した直後とは違う、より奥行きのある香りに変わっていきます。帰国してスーツケースを開けたとき、あるいはしばらくして手首にひと吹きしたとき、あの日の広安里の路地裏の空気がふっと戻ってくるはずです。Klookでも予約・料金の確認が可能ですので、気になった方はぜひチェックしてみてください。広安里香水工房ADoRは、30分と少しの好奇心だけで、旅のいちばん静かな思い出を持ち帰れる場所でした。

ADoR香水工房のFAQ:予約から熟成期間・言語の不安まで完全解決

ADoR広安里香水工房の体験料金はいくらですか?

もっとも手頃なメニューはカスタム香水10mlで₩15,000(約1,760円)、もっとも大きいサイズは50mlで₩38,000(約4,470円)です。香水以外にもカスタムディフューザーが₩29,000(約3,410円)から、ファブリックスプレーが₩29,000(約3,410円)で体験できます。エコギフトボックスは₩3,500(約410円)で追加可能です。
※価格は1円≒8.5ウォンで換算(2026年9月時点)。為替レートにより変動する場合があります。

カスタム香水クラスの所要時間はどれくらいですか?

体験の所要時間は約30分です。香りのカテゴリを見て回り、試香紙(ムエット)で一つずつ確かめ、好きな香りを選んで調合するまでの一連の流れが含まれます。ビーチの散策と夕食の間に挟めるくらいの時間感覚で、慌ただしさは感じませんでした。

韓国語ができなくても参加できますか?

問題なく参加できます。調合の手順はすべてタブレットの画面に視覚的に表示されるため、韓国語がわからなくてもステップごとに追って進められます。スタッフは外国人のお客さんに慣れていて、スマホの翻訳アプリを使ったやり取りもスムーズに対応してもらえます。体験自体が手を動かしながら香りを嗅ぐ感覚的な作業なので、言語が大きな壁になることはありません。

広安里ビーチからADoRまでの行き方は?

広安里ビーチからは約600m、徒歩約10分の距離です。ビーチの表通りから1本内陸に入った路地裏エリアに位置しています。釜山地下鉄2号線の広安駅(1番出口)からも同じく約600m(徒歩約10分)です。住所は釜山広域市 水営区 広安路49番キル74の1階です。

香水クラスに参加しなくてもお店に入れますか?

入れます。入り口側は小さなギフトショップとして営業していて、キャンドル、ミニディフューザー、ファブリックスプレー、ルームスプレーなどの香り雑貨を自由に見て回れます。「香りの郵便局」というユニークなサービスもあり、₩1,500(約180円)でポストカードを選び、好きな香りを吹きかけて、一緒に旅をしている方へ渡す「香りつきの手紙」を作ることもできます。

予約は必要ですか?予約方法は?

事前予約が必要です。ADoR公式サイトから直接予約するか、Klookで空き状況と料金を確認して予約することも可能です。営業時間は12:00〜19:00ですが、予約制のためスケジュールは日によって変動する場合があります。

完成した香水を1週間寝かせるのはなぜですか?

異なる香料を混ぜ合わせた直後は、それぞれの香りがまだ馴染みきっていない状態です。料理でいえば、カレーを作った当日よりも翌日のほうが味がまとまるのと似ています。香水の世界ではこの寝かせる工程を「熟成(マセレーション)」と呼び、約1週間かけて個々の香りが溶け合い、ひとつのまとまった香りに仕上がっていきます。調合した日に嗅いだ印象と、1週間後に手首に吹きかけたときの印象は別ものになっているはずです。旅の思い出が時間差でもう一度届くような感覚を楽しんでみてください。

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