慶州のお土産といえば、皇南パンやチャルポリパンが真っ先に浮かぶ方が多いのではないでしょうか。あんこがぎっしり詰まった伝統的なお菓子は、もちろん間違いのない選択です。ただ、今回の旅で私が一番印象に残ったのは、それらとはまったく違うものでした。慶州塩パンという新しい選択肢 — 満月の形をした塩パンが並ぶ、小さな韓屋のパン屋です。
月池パンがあるのは、慶州市内の芬皇路(ブンファンロ)沿い、慶尚北道慶州市に位置する静かな通りです。慶州で最もにぎわう皇理団キルからは車で約5分の距離にあり、多くの旅行者が宿泊先にする普門観光団地からもそう遠くありません。東宮と月池(トングンクァウォルジ)などの主要な観光スポットにも近い場所ですが、芬皇路の周辺は比較的落ち着いた雰囲気で、車でのアクセスもしやすいエリアです。慶州観光の最後に立ち寄るには、ちょうどよい場所にあります。

目次
月池パン(慶州):店舗情報・アクセス
| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 店名 | 月池パン |
| 住所 | 慶尚北道慶州市芬皇路5 |
| 営業時間 | 10:00 – 18:00 |
| 定休日 | 毎週水曜日 |
| 価格 | 塩パン10個入り1箱 ₩17,000(約1,790円) |
| 予約 | 可能(週末は事前予約推奨) |
韓国の塩パンブームと「月池パン」の満月デザイン
日本で生まれた塩パン(シオパン)が韓国に渡り、2020年代に入ってからソウルを中心に大きなブームになったのはご存じの方も多いかもしれません。ブームのピークは過ぎたとも言われていますが、慶州ではまだその人気が続いていて、月池パンのように独自のスタイルで勝負するお店も登場しています。ここの塩パンが特徴的なのは、その形です。一つひとつが満月をかたどっていて、日本のお月見を思い出すような、まるい愛らしい姿をしています。
韓屋の小さなパン屋

月池パンは、整った韓屋づくりの建物で営業しています。入口の手前には小さな庭と満月をモチーフにしたフォトスポットがあり、建物の外にはパンの受け取りを待つ間に腰かけられるベンチも用意されています。看板は控えめで、自然光がたっぷり入る店内は、パン屋というよりも小さな工房のような雰囲気です。

慶州の観光地周辺にあるパン屋の中でも、このお店は佇まいからして少し異なります。派手さはないのですが、空間全体に丁寧さが行き渡っているのが伝わってくる場所です。
こだわりの約束
店内に掲げられた一枚の案内板に、このパン屋の姿勢がまとめられています。
当日に生産したパンは当日のみ販売し、売れ残りはその日のうちに廃棄すること。もちもちとした食感と消化のよさを守るために、打ち粉(まぶし粉)を一切使わないこと。そして生地の仕込みから成形、発酵、焼き上げまで、すべての工程を手作業で行うこと。

大量生産では実現しにくい手間を、毎日淡々と繰り返しているお店です。日本のパン屋でも「無添加」「手作り」にこだわるお店はありますが、ここでは防腐剤を使わないだけでなく、副材料まで絞り込んでいるところに、職人としてのまっすぐさを感じました。一日に焼ける数にも限りがあるため、そのぶん一つひとつに手間が行き届いているのだと思います。
予約と受け取り

私は事前に予約をしておいたので、お店に着いてすぐに受け取ることができました。週末や連休中は人気の時間帯が早めに埋まることもあるようなので、予約しておくと安心です。平日であれば、予約なしでも購入できることが多いとのことでした。
受け取りのタイミングでちょうど、スタッフの方が新しい生地を成形しているところを見ることができました。一つずつ丁寧に満月の形に整えていく様子は、眺めているだけでも楽しい光景です。
満月の塩パンを開封

持ち帰った箱は、明るい黄色のパッケージに包まれていました。パン屋の袋というよりも、ちょっとした贈り物のような見た目です。このまま誰かに渡しても、十分にお土産として成立する仕上がりだと感じました。


箱を開けると、まるい塩パンが10個、きれいに並んでいます。それぞれの表面には粗塩がのっていて、テーブルソルトとは違うしっかりとした粒感が目を引きます。

手に取ると、バターの香りがふわっと広がります。上の部分はふわふわで、かすかにもちっとした弾力があり、ゆっくり噛みしめたくなる食感です。バターが舌の上でじんわりと溶けて、やさしい余韻が残ります。

そして一番の特徴は、裏面です。ひっくり返すと、バターが染み込んでこんがり焼き上がった、サクサクの底面が現れます。ふわもちの上部と、カリッとした底面のコントラストが、つい次の一つに手を伸ばしてしまう理由なのだと思います。
塩加減は控えめで、バターの風味を引き立てる程度に抑えられています。息子はパンが大好きで、今回も夢中で食べていたのですが、塩気が強すぎないので子どもでも食べやすく、家族全員で無理なく楽しめました。その嬉しそうな姿を見ていると、寄り道してよかったと素直に思えました。
お土産としてどう?
皇南パンもチャルポリパンも、慶州のお土産としての安定感は揺るぎません。ただ、どちらも甘い味わいで、長年変わらない定番です。甘いものが得意でない方や、少し違ったものを贈りたいときに、月池パンはちょうどよい選択肢になるのではないでしょうか。バターの風味と控えめな塩気、そして見た目のかわいさが、幅広い年代に受け入れられやすいお土産です。
保存に関しては、いくつか注意点があります。防腐剤を使用していないため、購入当日に食べるのが一番おいしい状態です。

※ 店内の card:無防腐剤 / 当日生産・当日販売 / 100% 手作り / 100% 無塩バター / 100% 非精製サトウキビ糖
すぐに食べられない場合は、涼しい室温で保管するのがよいとのことでした。さらに長く保存したい場合は、箱ごと冷凍し、食べるときに自然解凍するか、電子レンジやエアフライヤーで軽く温めると、底面のサクサク感が戻っておいしくいただけます。
₩17,000(約1,790円)で10個入り。手作りの専門店としては手の届きやすい価格帯ですし、パッケージのクオリティを考えると、お土産としてのコストパフォーマンスは高いと感じました。
まとめ
慶州旅行の最後に立ち寄った小さな韓屋のパン屋が、振り返ってみると一番心に残っています。満月の形をした塩パン、打ち粉を使わないまっすぐな作り方、バターが染み込んだサクサクの底面。どれも派手さはないのですが、一つひとつに丁寧さが詰まっていて、食べるたびに慶州の空気を思い出すような味でした。

月池パンは皇理団キルから車ですぐの距離にあるので、皇理団キルの散策と組み合わせて立ち寄るのもよい流れです。

また、普門エリアに宿泊されるなら、猫が出迎えてくれる韓屋ステイ「ウォンファル」も、この界隈をゆっくり巡る拠点としておすすめできます。
慶州塩パンは、旅の前にはまったく頭になかったものでした。でも今は、次に慶州を訪れる友人がいたら、帰り際にここへ寄ってみてと伝えたいお店です。
月池パン(慶州):よくある質問(FAQ)
慶州の月池パンとはどのようなお店ですか?
月池パンは、慶州市の芬皇路にある韓屋づくりの小さなベーカリーです。満月の形をした塩パンを専門に、当日焼き・当日販売のスタイルで営業しています。生地の仕込みから焼き上げまですべて手作業で行われており、防腐剤や打ち粉は使用していません。
月池パンの塩パンは1箱いくらですか?
塩パン10個入り1箱で₩17,000、日本円で約1,790円です。明るい黄色のギフトボックスに入っており、そのままお土産として渡せるパッケージになっています。
月池パンの場所は皇理団キルから近いですか?
月池パンは慶尚北道慶州市芬皇路5にあり、皇理団キルからは車で約5分の距離です。比較的静かな通り沿いに位置しており、車でのアクセスがしやすい立地です。
予約なしでも購入できますか?
平日であれば、予約なしでもそのまま購入できることが多いです。ただし週末や連休中は人気の時間帯が早めに売り切れることがあるため、事前に予約しておくと確実に受け取ることができます。
慶州の塩パンは皇南パンとどう違いますか?
皇南パンはあんこがたっぷり入った甘いお菓子ですが、月池パンの塩パンはバターの風味に控えめな塩気を合わせた、甘さのないタイプです。ふわもちの上部とサクサクの底面という食感のコントラストが特徴で、甘いものが得意でない方にも食べやすいお土産になります。
月池パンの保存方法を教えてください。
防腐剤を使用していないため、当日中に食べるのが最もおいしい状態です。すぐに食べられない場合は、涼しい室温で保管してください。長期保存が必要な場合は箱ごと冷凍し、食べるときに自然解凍するか、電子レンジやエアフライヤーで軽く温めると底面のサクサク感が戻ります。
月池パンは慶州のお土産に向いていますか?
満月型の見た目とギフト仕様のパッケージは、そのまま贈り物として使えるクオリティです。甘い皇南パンやチャルポリパンとは異なるジャンルのお土産として、選択肢を広げたい方におすすめできます。塩気が控えめなので、子どもから大人まで幅広い年代に受け入れられやすい味わいです。