ホテル農心のビュッフェ「リストランテ」で贅沢ランチ。温泉の街で過ごす、釜山のもうひとつの休日

釜山と聞くと、海雲台のビーチや広安里の夜景を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、釜山にはもうひとつ、地元の人たちが昔から大切にしてきた「温泉の街」があります。地下鉄1号線の温泉場(オンチョンジャン)駅を降りると広がるのは、高層マンションの間にレトロな市場や古い路地が残る、独特な雰囲気のエリアです。今回、夫とふたりでホテル農心 ビュッフェ「リストランテ」のランチを体験してきました。

東莱(トンネ)温泉の歴史は古く、朝鮮時代にはすでに湯治場として知られていました。1915年には湯治客を運ぶための専用路面電車が開通したほどです。近代的な施設として本格的に整備されたのは日本統治時代のことで、以来、韓国を代表する保養地として多くの人々に親しまれてきました。そのエリアの中心に、50年以上の歴史を持つホテル農心が建っています。

基本情報:ホテル農心「リストランテ」

項目内容
場所ホテル農心 本館1階(釜山広域市 東莱区 金剛公園路20番キル 23)
営業時間朝食 06:30~10:00 / ランチ 12:00~14:30 / ディナー 18:00~21:00
ランチ₩55,000(約5,790円)/大人1名
ディナー(日~木)₩85,000(約8,950円)/大人1名
ディナー(金・土・祝日)₩89,000(約9,370円)/大人1名
朝食₩34,000(約3,580円)/大人1名
座席数全130席(ホール106席 / 個室12席×2室、6~16名対応)
アクセス釜山地下鉄1号線 温泉場駅 5番出口から徒歩約7分
駐車場最初の240分無料(登録必須)、以降10分ごとに₩1,000(約110円)
予約CatchTable Globalアプリ
(メール登録のみ、韓国の電話番号不要)または当日来店
釜山・温泉場にあるホテル農心の外観

リストランテの雰囲気

ホテル農心1階にあるリストランテの入口、釜山

地下駐車場から1階ロビーへ上がると、すぐ目の前にリストランテの入口があります。12時のランチ開始に合わせて予約しましたが、もし地下駐車場が満車でも、道を挟んだ向かいに立体駐車場があるので問題ありません。食事中にフロントで車のナンバーを登録すれば、4時間の無料駐車が適用されます。

ホテル農心リストランテのダイニング席、釜山

店内に入ってまず感じたのは、空気の静けさでした。照明はやや控えめで、テーブル同士の間隔にも余裕があります。一般的なビュッフェの賑やかさとはどこか違う、落ち着いた空間です。デートにも、大切な方との食事にも向いている雰囲気だと思いました。周囲を見渡すと、制服姿のCAの方や、常連らしい地元のご夫婦の姿もちらほら。観光客向けのレストランというよりも、この街に根付いた場所なのだと感じます。

ホテル農心リストランテで食事を楽しむお客様、釜山

リストランテのメニューは、韓国で知られるシェフ、エドワード・クォン氏の監修によるものです。ドバイのブルジュ・アル・アラブでシェフを務めた経歴を持つ同氏との協力のもと、韓食・和食・洋食・中華を横断する構成が組まれています。海雲台エリアの大型ホテルビュッフェと比べると品数は控えめですが、その分ひとつひとつの料理に手間がかかっている印象です。数より質で勝負する、そんなスタイルでした。

ビュッフェの中身を一巡り

ホテル農心リストランテのサラダコーナー、釜山

まずはサラダコーナーからスタートしました。きのこのサラダ、シーフードミックス、季節のフルーツなど、ランチにしては種類が揃っています。軽めのひと皿で胃の準備をしてから、次へ進みます。

ホテル農心リストランテのサラダコーナー別角度、釜山

すぐ隣にあるのが海鮮のコーナーです。紅ズワイガニの脚、エビ、タコ、そして驚いたのがカレイの刺身でした。コリコリとした歯ごたえで、噛むほどにじわっと旨みが広がる上品な味わいです。ランチビュッフェに刺身があること自体が嬉しいのに、カレイまで出てくるとは思いませんでした。あまりにおいしくて、もう一皿おかわりしてしまいました。

ホテル農心リストランテの海鮮コーナー、紅ズワイガニとタコ、釜山

寿司コーナーにはヤリイカ、サーモン、生エビ、ボイルエビの握り、いなり寿司、ツナキンパ(韓国風の海苔巻き)が並んでいました。ネタがなくなると、すぐに職人さんが握り直してくれるので待つ必要がありません。生ものが苦手な方でも、いなり寿司やキンパがあるので安心です。

ホテル農心リストランテの寿司コーナー、釜山

ホットフードのコーナーへ移ると、この日一番の驚きが待っていました。ステーキです。正直なところ、ビュッフェのステーキにはあまり期待していなかったのです。これまで何度も、硬くて味気ない肉に当たってきた経験があるので。でも、ここではミディアムにきれいに焼き上がっていて、柔らかく、肉汁もしっかり閉じ込められていました。粒マスタード、ステーキソース、ローストガーリック、焼き野菜も添えられていて、アラカルトで提供されてもおかしくないレベルです。思わずおかわりをしてしまいました。

ホテル農心リストランテのステーキコーナー、釜山

ステーキのほかには、豚カルビ、ミートボール、トンポーロー(中華風の豚角煮)、チリシュリンプ、ラージョーチー(甘辛いチリソースで仕上げた鶏のから揚げ)が並んでいます。ありがちなチャプチェや酢豚ではなく、しっかりとした中華系メニューが揃っていたのが印象的でした。

ホテル農心リストランテのホットフードコーナー、トンポーローやチリシュリンプ、釜山

ピザは薪窯焼きで、マルゲリータとゴルゴンゾーラの2種類。カウンターの奥に窯が見えていて、期待が高まります。食べてみると、生地は外がパリッと、中はもちもち。冷凍生地を温め直しただけのものとは明らかに違う食感でした。

ホテル農心リストランテの薪窯ピザコーナー、釜山

ピザの隣には天ぷらの盛り合わせ。エビ、イカ、かぼちゃ、バジル、ミニトマトなどが薄衣でカラッと揚がっています。これを白ごはんの上に乗せて、即席の天丼にして食べるのがおすすめです。実際にやってみたのですが、かなりおいしかったので、ぜひ試していただきたい食べ方です。

ホテル農心リストランテの天ぷら盛り合わせ、釜山

ライブクッキングコーナーでは、注文ごとに目の前で作ってもらえるメニューがあります。パスタ(トマト・クリーム・ロゼ)とミルミョンの中から選ぶ形式です。ミルミョンは釜山の名物で、冷たい小麦麺のこと。さっぱりとした冷たいスープに入ったものか、ピリ辛のビビン(和え)式かを選べます。私たちはロゼパスタとミルミョンを注文しました。ロゼソースにはしっかりしたコクがあり、ミルミョンは豚カルビと合わせるとそれだけで一食分の満足感です。

釜山名物ミルミョンとロゼパスタ、ホテル農心リストランテのライブクッキング

ユッケは凍った状態ではなく、柔らかくてちょうどいい食感で出されていました。韓食コーナーにはキムチ、塩辛、海苔、温かいスープ(おそらくシレギクッという干し大根葉のスープ)もあります。ポタージュも用意されていたので、辛いものが苦手な方でも心配いりません。韓国の家庭料理を気軽に試してみたい方には、ちょうどいい入口になるかと思います。

ホテル農心リストランテの韓食コーナーにあるキムチ、釜山
ホテル農心リストランテのランチビュッフェで取り分けた料理、釜山

お腹がいっぱいでも、デザートコーナーは素通りできませんでした。バターロール、エッグタルト、マカロン、ケーキ類が並ぶなかで、特にティラミスが記憶に残っています。甘さが控えめで、クリームがなめらか。食後のコーヒーと合わせると、いい締めくくりになります。フルーツはオレンジ、パイナップル、シャインマスカット、パッションフルーツ、バナナ、ランブータンと、ランチにしてはかなり充実した内容でした。

ホテル農心リストランテのデザートとフルーツコーナー、釜山
ティラミス、エッグタルト、マカロン。シャインマスカットやランブータンなどフルーツも充実

予約・アクセス・駐車場

予約はCatchTable Globalアプリから可能です。App StoreまたはGoogle Playでダウンロードし、メールアドレスで登録するだけで使えます。韓国の電話番号は必要ありません。ただ、個人的な感想としては、ランチ開始の12時に直接来店しても十分入れる印象でした。

リストランテへは、釜山地下鉄1号線の温泉場駅5番出口から徒歩約7分です。車の場合は、ホテルの地下駐車場が便利です。満車の場合は道を挟んだ向かいに立体駐車場もあります。食事で最初の4時間は無料になるので、フロントかスタッフにナンバーの登録をお忘れなく。

食後は虚心庁と温泉場さんぽ

ランチのあと、すぐに帰ってしまうのはもったいない気がします。ホテル農心のすぐ裏手には、韓国最大級の大衆温泉施設「虚心庁(ホシムチョン)」があります。「心を空にして休む」という意味を持つこの施設には、露天風呂、洞窟風呂、薬湯など40種類以上の湯船があり、天然の温泉水がそのまま使われています。館内にはパン屋、クラフトビールバー、サウナ、食堂まで揃っているので、半日のんびり過ごすことも十分可能です。

韓国最大級の大衆温泉施設・虚心庁の外観、釜山・温泉場

宿泊プランによっては、虚心庁の入場券が付いてくる場合もあります。私が泊まったときは2枚いただけたので、ランチのあとそのまま温泉へ向かい、1日をまるごとこのエリアで過ごすことができました。宿泊を検討されている方は、こちらからホテル農心の空室と料金を確認できます。

個人的には、いろいろな種類のお風呂を楽しみたいときは虚心庁へ、ひとりで静かに浸かりたいときは近くの鹿泉温泉ホテル(ノクチョンオンチョンホテル)を利用しています。こちらは客室に直接温泉水が引かれている小規模な温泉宿で、虚心庁とはまた違う静けさがあります。どちらも徒歩圏内にあるので、その日の気分で選び分けるのが、私にとってはこの街の楽しみ方のひとつになっています。

ホテルの近くにはスパユンスルキルという足湯散歩道もあるのですが、夏季は8月末まで休業中です。涼しい季節に訪れる方には、食後の散歩コースとしておすすめです。

温泉場というエリアは、歩いてみると不思議な場所です。高いマンションが建ち並ぶ通りのすぐ裏に、昔ながらの市場や年季の入った理髪店がそのまま残っていて、にぎやかな商店街を抜けると急に静かな路地に出たりします。何度か足を運んでいますが、来るたびに新しい発見があって、飽きることがありません。

ちなみに、釜山で「いつもとは少し違う宿に泊まってみたい」と思ったことはありませんか。

クッチェジャン旅館ラウンジ全景、開化期をテーマにした空間

温泉場からは地下鉄で少し移動しますが、繁華街の西面(ソミョン)の路地裏に、1920年代の韓国旅館をリノベーションした宿があります。テレビの代わりにレコードプレーヤーが置かれ、客室にはジャクジーが付いている、どこか懐かしくて新しい空間です。温泉場の昔ながらの空気が好きな方なら、きっと気に入るのではないかと思います。そのときの宿泊レビューはこちらにまとめています。

まとめ

ホテル農心のビュッフェ「リストランテ」は、品数の多さで勝負するタイプの食事ではありません。けれど、ひと皿ひと皿に丁寧さがあって、食べ終えたあとに静かな満足感が残る、そういうランチでした。

海雲台や南浦洞のような華やかさはないけれど、温泉場には温泉場だけの時間が流れています。おいしいものを食べて、温泉に浸かって、古い街並みをぶらぶらと歩く。そんなふうに過ごす釜山の一日も、きっと記憶にやさしく残るのではないでしょうか。ホテル農心 ビュッフェと虚心庁の温泉を組み合わせて、この温泉場という街の空気を、ぜひゆっくり味わってみてください。

ホテル農心リストランテに関するよくある質問(FAQ)

ホテル農心のビュッフェ「リストランテ」のランチ料金はいくらですか?

大人1名あたり₩55,000(約5,790円)です。ディナーは日曜から木曜が₩85,000(約8,950円)、金曜・土曜・祝日が₩89,000(約9,370円)です。朝食は₩34,000(約3,580円)で利用できます。

韓国の電話番号がなくても予約できますか?

はい、CatchTable Globalアプリを使えばメールアドレスだけで予約が可能です。韓国の電話番号は必要ありません。App StoreまたはGoogle Playからダウンロードできます。また、ランチ開始の12時に直接来店しても入れる場合があります。

温泉場駅からホテル農心までのアクセスは?

釜山地下鉄1号線の温泉場駅5番出口から徒歩約7分です。西面駅からは地下鉄1号線で約15分、南浦洞からも同じく1号線で約30分、いずれも乗り換えなしでアクセスできます。

ミルミョンとは何ですか?

ミルミョンは釜山発祥の冷たい小麦麺です。さっぱりした冷たいスープに入ったタイプと、ピリ辛のタレで和えたビビン式の2種類があります。リストランテではライブクッキングコーナーで、注文ごとにシェフが作ってくれます。

虚心庁(ホシムチョン)はホテルに泊まらなくても利用できますか?

はい、虚心庁は一般に開放されている大衆温泉施設です。ホテル農心のすぐ裏手にあり、当日入場が可能です。露天風呂、洞窟風呂、薬湯など40種類以上の湯船があります。宿泊プランによっては入場券が付いてくる場合もあります。

ランチビュッフェの所要時間はどのくらいですか?

ランチの営業時間は12:00から14:30までの2時間半です。ゆっくり食事をして、デザートまで楽しむと1時間半から2時間ほどが目安です。駐車場は最初の4時間が無料なので、食後に虚心庁の温泉を楽しむ時間的な余裕もあります。

駐車場はありますか?料金はかかりますか?

ホテルの地下に専用駐車場があり、食事をすれば最初の240分(4時間)は無料です。フロントまたはスタッフに車のナンバーを伝えて登録する必要があります。4時間を超えた場合は10分ごとに₩1,000(約110円)がかかります。地下が満車の場合は、道を挟んだ向かい側に立体駐車場もあります。

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